離婚か別居をしたいけど、いろいろと問題があるから難しい。
それでもパートナーと一緒に居るのは辛いから、せめて家庭内別居したい……。
でも始める方法は?条件やルールを決めたほうがいいの?
こんにちは、ゆうじです。
なかなか夫婦生活がうまくいかず、離婚や別居が頭をちらついたことがあるかもしれません。
しかしいきなり離婚は精神的にも体力的にも辛くなったり、別居をするとしてもお金や子どもの心配は
無くならない。
そんなとき、ある一定の期間だけでもいいので家庭内別居をしてみてはいかがでしょうか?
今回は家庭内別居をするにあたりどんなルールを決めたらよいのか、家庭内別居を始める方法を
解説していきます。
この記事を読むことで、賢く離婚するために必要な条件や覚えておいた方が良いことは何か分かります。
そのため、冷静に今後のことを考えられるようになるでしょう。
家庭内別居とはどんな状態?仮面夫婦との違いは何?
家庭内別居とは、夫婦関係が破綻しているにもかかわらず離婚せずに一緒に暮らしている夫婦のこと。
互いに干渉せず、顔も合わせずに生活している状態です。
- 食事を一緒にとらない
- 過ごす部屋・寝室は別々
- 互いの存在が無いかのように過ごしている
- 相手が何をしているのか知らない
家庭内別居と似ている状況といえば仮面夫婦もありますが、こちらは人前では夫婦を演じているけど
愛情がない状態です。
家庭内別居中の夫婦とは違って、仲の良い夫婦のように一緒に出掛けたりすることもあります。
共通しているのはパートナーへの愛情が無いという点でしょう。
仮面夫婦についてはこちらの記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください。
家庭内別居をすることのメリット・デメリットとは?
夫婦仲が悪くなったからといって、すぐ離婚とはなかなかいかないもの。
再構築を目指すための冷却期間や離婚前提など、どんな理由にせよすぐには離婚せずいったん別居しようと
考える人も多いでしょう。
しかしそこであえて完全な別居ではなく、家庭内別居にするのか。
家庭内別居のメリットやデメリットを紹介します。
あえて離婚ではなく家庭内別居をするメリット
始めに家庭内別居のメリットを3つお伝えしようと思います。
別居や離婚よりも経済的負担が少ない
最大のメリットともいえるのが、経済的な負担があまりかからないこと。
別々に家を借りて暮らすとなると、特に家賃と光熱費でお金がかかります。
しかし一緒に暮らせば一緒に暮らしていたのとほぼ同じ金額で済むのです。
周りに関係が悪化していることがばれにくい
離婚した際はもちろんのこと、別居中の場合も夫婦で一緒に暮らしていないとなれば、
その理由を話さざるを得ない状況が出てきます。
また最近では別居婚という新たな形の夫婦関係もありますが、それはきちんと愛情があってこその別居。
夫婦の様子から、「あえて別居婚中だ」と嘘をついてもすぐにばれてしまう可能性があります。
そして別々に暮らすとなれば新たな家を借りなければいけないため、子どもの学校・幼稚園・保育園を
変えたり、自分の通勤ルートも変えなければいけない状況も出てくるでしょう。
しかし家庭内別居であれば、生活スタイルが特に大きく変わることが無いため、
今まで通りの生活をすることが出来ます。
子どもの成長を見守れる・子どもへの負担が少ない
子どもがいる家庭にとって、子どものことが一番気にかかる部分でしょう。
離婚や別居をすることになり、離れて暮らすようになれば、
- 通っている学校・幼稚園・保育園を変更しなければいけない
- 仲が良かった友達と離れ、一から友人関係を作らなければいけない
- 新たな土地で過ごさなければいけない
など、子どもにストレスが掛かってしまいます。
また一緒に暮らしているので、子どもの成長を間近で見ることができるのもメリットでしょう。
パートナーのことが嫌いになっても子どものことは大切だと思っている人は多いと思いますが、
離婚・別居となれば一緒に過ごすことが出来なくなってしまうこともあります。
また子どもが両親のことを大好きだという場合、別居となれば両親と一緒に居たいのに
引き離さなければいけません。
家庭内別居期間中のデメリットや起きやすいトラブル
メリットもある家庭内別居ですが、もちろんデメリットもあります。
一体どんなメリットがあるのか、3つお伝えしていきます。
相手と同じ空間にいることが苦痛になる場合も
顔すら見たくないのに、朝は出勤時間の都合上どうしても顔を合わせなければいけない
ご飯を作ろうとしたらシンクにコップが置いてあって、
嫌いなパートナーのことを思い出してしまう
パートナーがちゃんと捨てていないゴミを発見してイライラ
完全に離れて暮らすことになれば、パートナーのことを気にせずに過ごせるのでストレスもなくなるでしょう。
しかし家庭内別居の場合は顔を合わせないとしても、どうしてもパートナーの存在を意識せざるを得ません。
子どもがストレスを感じてしまう
子どもはまだ小さいから、家庭内別居をしていても気づかれないだろう
と考えてはいませんか?
しかしそれは大人の勝手な考えで、思っている以上に子どもは敏感です。
パートナーとの関係が悪いがために
- 運動会などの子どもの行事に参加しない
- 子どもを使ってパートナーと会話する
というようなことをしていると、子どもの人格形成に悪影響を及ぼしてしまいます。
家庭内別居期間中に相手が浮気をしても慰謝料を請求できないことも
パートナーに浮気をされた場合基本的には慰謝料を請求することができますが、婚姻関係が
破綻していると判断された場合は、請求が認められません。
だいたいの場合、家庭内別居は夫婦関係が破綻しているとみなされないことが多いです。
しかし家庭内別居であってもきちんと証拠があれば、夫婦関係が破綻したとみなされ、浮気の慰謝料を相手に
請求することが難しくなります。
もう離婚したいけど、自分の有責で離婚したくない……。
あえてパートナーと家庭内別居して、浮気してくれるのを待とう。
(家庭内別居後)
願い通りパートナーが浮気してくれたので、パートナーの有責で慰謝料請求して離婚しよう!
なんて思っている人もいるかも知れませんが、パートナーが家庭内別居中で夫婦の関係が破綻したと証明してしまえばそうもいかないのです。
ちなみに家庭内別居期間中の浮気で慰謝料を請求できる可能性があるのは以下のような場合です。
- 家庭内別居前から浮気をしていた場合
- 家庭内別居からあまり時間が経っていない時
- 家庭内別居をした理由が関係修復のための冷却期間だった場合
詳しいことは弁護士に相談してみましょう。
再構築・離婚前提どちらでも!家庭内別居を始める方法や決めるべき条件
いざ家庭内別居をしようとしても、どのように過ごすか明確なルールを決めておかないと、家庭内別居を始めた時にストレスを感じてしまうことがあります。
具体的にどのようにしたらよいのかご紹介していきます。
しかしその前に
「本当にこのまま別居するのか、どうにか修復できないか?」
ということ考えてみてはいかがでしょうか。
こちらの記事では夫婦仲の改善についての方法について解説しています。
家事や家の過ごし方のルールを決める
家庭内別居を始めるとなった際、既に夫婦仲が悪くコミュニケーションもあまり取れていない状態ではないかと思います。
その時に事前にルールを決めておかないと、
「話しかけたくないけど、ずっとリビングに居座られて
入りづらいからやめて欲しい」
「こっちがテレビ見たいのになんでリビングに入ってくるのかな……
イライラする」
「これぐらい自分でやるのが当たり前だと思ってたのに、何で家事を
一切しないの?家事の負担は全て私なの?!」
「なんで今まで家事をしていたのに放置するんだよ。
これぐらいやるのが普通でしょ。」
といった、「話しかけたくないけど言わないと解決しない問題」が発生することも……。
「話しかけたくなければ手紙にすれば?」
という意見もありそうですが、離婚前提の夫婦の場合、パートナーのために1秒たりとも無駄な時間を
使いたくないのが本音。
だからこそ互いのストレスを減らすためにも、家庭内別居を始める前にきちんと話し合いをすることが
必要なのです。
それでは実際にどんなことについてのルールを決めればいいのか紹介していきます。
お金について
- 家賃
- 光熱費
- 子どもに関する部分
などのお金の支払いはどうするのか決めておきましょう。
それからこの後記述しますが、収入が低い側は収入が多い方から生活費(婚姻費用)を受け取ることができるので、生活費も事前に相談しておくとよいです。
食事
- 完全に別にし、各々で用意・食事・片付けする
- 平日の夜のみ妻が作るが、土日は一緒に食べない
- 朝食のみ子どものことを考えて一緒に食べる
など、朝昼晩・平日休日でどうするのか細かく決めておくと、後々面倒なことにならずに済みます。
またそれぞれ自分で料理して作る場合は、冷蔵庫の使い方も考えなければいけません。
どちらが買った食材か分かるよう
- 自分専用のかごやケースを用意しておく
- 自分のものに名前を書く
- 2人で使う調味料は折半して購入
といった工夫が必要です。
掃除
自分の部屋は各自掃除で問題はないと思います。
しかし共有スペース(トイレ・お風呂・リビング・玄関など)の掃除の分担を決めておかないと、
片方ばかり掃除している・どちらも掃除しなくて汚いなんてことも。
- 掃除分担表を作ってローテーション
- リビングは妻、トイレは夫……というように場所で割り振る
掃除頻度なども合わせて決めておくと、よりいいかもしれません。
洗濯
片方がコインランドリー生活というのはなかなか厳しいので、基本的に洗濯機は共有で
使うことになると思います。
その際、洗濯機を回している時間だけではなく、干す・乾かす・取り込むまでのことも考えて
使う日時を決めましょう。
最近ではドラム式洗濯乾燥機の家庭が増えているので、干す場所などはあまり気にしなくて
いいかもしれません。
しかし乾燥機能のない洗濯機の場合、
「洗濯していざ干そうと思ったら、パートナーの洗濯物が干しっぱなしで干せない!」
なんてことも。
部屋が広ければ、それぞれ自分の洗濯物を干しておくスペースを決めておくのも手でしょう。
共有スペース(リビング・キッチン・お風呂・洗面所など)の過ごし方
共有スペースはお互いに利用する場所です。
もしパートナーと顔を合わせたくないという場合は、だいたいいつ頃使うか事前に決めておきましょう。
共有スペースの時間の割り振りについて、具体的な例を考えてみました。
リビング
夫…平日の20~0時
妻…休日の9~16時
お風呂
夫…21~22時の間で30分ほど
妻…19~21時の間で1時間ほど
洗面所(朝)
夫…朝は妻が家を出てから使用。
妻…朝は先に家を出るので、夫が起きてくる前に使う。
このようにきっちり決めるのではなく、ある程度ゆとりをもって決めておくのが良いと思います。
子ども
先ほど挙げた通り家庭内別居では子どもと関わることができる反面、子どもであればストレスを与える
可能性があります。
「パートナーが嫌だから」という理由でおろそかにされるのは、子どもにとって辛いこと。
だからこそ自分たちの関係の悪化は子どもには関係ないため、子どものことに関しては割り切ることも
大切なのです。
子どもの運動会や学芸会などは夫婦2人で参加したり、時々家族そろってのお出掛けをするなど、
夫婦でよく話し合って決めましょう。
挨拶
基本的には最低限の挨拶はしておいた方が良いです。
特に再構築を前提としている場合、全く会話をしなければ話したいことがあっても
話しづらくなってしまいます。
また幼い子どもがいる場合、親の仲が悪いと気がついてしまう可能性がある他、親が挨拶しない姿をみて
「挨拶しなくていいんだ」
と思ってしまう可能性があるのです。
パートナーだという考えを捨て、時々会う同じ会社の社員・近所の人ぐらいの気持ちでいれば
気まずさは少し軽減されるでしょう。
家庭内別居の期間を決める
家庭内別居期間が長い場合、夫婦関係が破綻していたとみなされスムーズに離婚できることがあります。
だからといって、いつかは必ず家庭内別居を終わらせなければいけない日が来ます。
だらだらと続けてもいいことはありません。
子どもの都合に合わせて
- 成人した時
- 1人暮らしを始めた時
- 高校や大学などの進学した時
”子どもの成長をそばで見たい”、”経済面を考えて”といった理由で家庭内別居をしていた場合、
今挙げたようなタイミングで離婚や別居に踏み切ることが多いようです。
夫婦の都合に合わせて
- 専業主婦(夫)・パートをしていた側の就職先が決まった時
- 正社員で働いている側の転勤が決まった時
- 家族親戚の介護をしなければいけなくなった時
どちらにせよ引っ越さなければいけなかったり、1人で生活できるほどの経済力が付いたタイミングで
別居・離婚する場合も多いみたいです。
具体的な期間
家庭内別居であれば、あらかじめ決めた期間が来て大丈夫だと思えば、そのまま元の生活に戻るということが
簡単にできます。
これは家庭内別居のメリットともいえるかも知れません。
しかし期間が来てもやり直せないと思った場合、期間を延長してもう少し様子を見るか、諦めて離婚という
選択になると思います。
家庭内別居前にチェック!離婚に関して気を付ける・知っておくべきこと
何の考えもなく思いつきで家庭内別居を始めると、離婚をするとなった際に後悔することがあります。
これから挙げる3つの項目について事前に頭に入れておき、どのように家庭内別居をするか考えた方が
良いでしょう。
徐々に家庭内別居に移行中の方も、完全な家庭内別居を始める前に一度きちんと話してみたほうが
いいかもしれません。
家庭内別居時に夫婦関係が破綻していると認められる条件
基本的に家庭内別居を始める=夫婦関係が破綻していると簡単に判断できません。
破綻していると認められる条件は以下のような場合です。
- 離婚前提での家庭内別居だった
- 夫婦間の性交渉はない
- 夫婦の寝室は別である
- 家計管理は別々にしていた
- 家事は別々にしていた
- 会話がほとんどない
客観的に判断できなければ認められないので、家庭内別居を始める際に決めたルールについての書類をコピー・各々の居住スペースの状況を写真に撮っておくと良いでしょう。
相手が同意すればスムーズに離婚できますが、離婚に応じない場合は調停が長引くこともあります。
家庭内別居を始める際に離婚を視野に入れてるのであれば、破綻しているとみなされる事柄を頭に入れて
過ごしたほうがいいかもしれません。
共有財産は婚姻時から家庭内別居時までの間に得た財産
結婚後に得た財産は夫婦の共有財産になるため、離婚時に共有財産の半分を受け取ること(財産分与)が
できます。
共有財産とみなされるものは以下の通りです。
- 現金・貯金
- 株式投資で得たお金
- 退職金
- 保険解約払戻金
- 車
- 家具・家電
- 不動産
基本的には結婚してから婚姻関係終了時までの期間で請求するのが一般的ですが、離婚せずに家庭内別居をした場合は結婚してから家庭内別居をするまでで計算します。
なぜ離婚した時ではなく家庭内別居開始時からなのかというと、共有財産というのは
夫婦で力を合わせて築いた財産のことを示すから。
しかし家計管理が完全に別ではない場合、経済的に分離したとはいえないため、必ずしも
家庭内別居開始時までとは限りません。
場合によっては「結婚から本格的な別居や離婚をするまでの期間」になることもあるため、
財産を多く持っていてできる限り減らしたくない人は気をつけましょう。
家庭内別居の時は別居とは違って明確ではないので、「家庭内別居をして家計が別だった」
という証拠があると、調停などの場面でよりスムーズに話が進むでしょう。
家庭内別居中でも生活費を請求できる
家計を別にするとパートや専業で収入が少ない場合、いくら家庭内別居で支出が少ないとしても
お金の心配は尽きません。
ですが婚姻費用として、収入の少ない方が収入の多い方に対して生活費を請求することが出来ます。
そして婚姻関係にある限り、夫婦は婚姻費用を分担する義務があります。
そのため別居していても、法律上この義務は無くなりません。
もし収入が多い側が生活費を払ってくれない場合、「婚姻費用分担請求調停」を申し立てて
支払ってもらうことが可能です。
ちなみに婚姻費用分担請求調停をする際には、収入印紙代・切手代で2,000円ほどかかるので注意です。
しかし請求する(収入が少ない)側が原因で家庭内別居をすることになった場合、例えば
- 専業主婦の妻が浮気をした
- 妻に生計を立ててもらいながらアルバイトをしている夫が浮気をした
というような場合は、収入が低くても請求を認められない場合があります。
- パートナーよりも収入が少ない
- 自分が問題(有責)での家庭内別居ではない
という場合は事前にきちんと婚姻費用についての話もしておき、話がまとまらない場合は
婚姻費用分担請求調停の申し立てをしましょう。
家庭内別居期間中のルールや条件ってどうすればいい?始める方法 まとめ
この記事では家庭内別居をする方法や事前に決めておいた方が良い条件などを紹介しました。
すでにパートナーとあまり会話したくない状態だと思いますが、きちんとルールを決めておかないと
より辛い生活が続く可能性もあります。
2人での会話が辛い場合は信頼できる第三者も交えて決めると良いかもしれません。
この記事のまとめ
- 子どもについてはメリットとデメリット共にあるので要注意
- 家庭内別居は基本的に関係が破綻しているとみなされない
- 始める前に期間やルールを決めておく
離婚に関して知っておいた方が良いことをご紹介しましたが、実際は各家庭で状況が変わってくるため
一概にこの通りとは言えません。
詳しいことはきちんと弁護士に相談してくださいね。
そして一番いいのは夫婦の仲が良くなることです。
やり直したい気持ちが少しでもあるならば、家庭内別居期間中に冷静になってからきちんと
話し合いをして、これからどうしたらいいか方法を見つけていきましょう。
今すぐできる行動リスト
- 家庭内別居前に何を決めるべきか条件を洗い出す
- 共有財産と婚姻費用を計算する
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